
みなさんは、自分が年を重ねていった先の生活を、どのようにイメージされていますか?
未来に対する不安をゼロにすることはできませんが、自分がどんな生活を送りたいかをイメージし、その生活を送るための準備をすることはとても重要といえます。
リタイアメントプラン設計講座では、こうした不安を和らげる具体的な方法として、「人生でやりたいこと100のリスト」の作成と「リタイアメントプラン実践ノート」の作成をお勧めしていますが、後者はいわゆる「お金の面」を見える化する手段です。
■2,000万円を気にしなくてよい理由
金融広報中央委員会が毎年行う「家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産の保有目的の1位は「老後の生活資金にあてるため」の67.4%で、次いで「病気や不時の災害のときに備えるため」の48.0%となっています。
ようするに、「仕事を辞めて定期的な収入が無くなった場合、いくらぐらいの金融資産があればよいのか?」という点を心配する人が多いわけですが、これに関して一時期話題になったのが、いわゆる「老後2,000万円問題」と言われるものでした。
これについて、まず結論を言うと「2,000万円はまったく気にしなくていい数字」だということです。
そもそもこの時の数字が2,000万円になったのは、レポートの材料となった2017年の家計調査における「高齢者無職世帯の収支差額」が月額約5.5万円だったからです。
このマイナスが30年続くとした「5.5万円×12ヶ月×30年=1,980万円」ですから、確かに2,000万円となりますが、そもそも毎月の収支差額は年によって大きく違います。
実は2017年以降の家計調査の数字で同じ計算をした場合、この1,980万円というのがもっとも大きな金額でした。
コロナ禍で外出制限などの影響があった2020年の収支差額は「1,111円の黒字」でしたから、同じ計算をすると、老後資金は0円で大丈夫となってしまいます。
そもそも、退職後の収入や支出がいくらぐらいになるかは、人によって大きく異なるわけですから、大切なのは「金額」を気にするのではなく、自分なりの収支差額を把握することなのです。
■公的年金の受け取り開始年齢は自分で選択できる
退職後の収入の柱は老齢年金という、国からの年金になる人が一般的ですが、年金をいくら受け取ることができるのかは、その人の現役時代の保険料納付状況によって大きく異なります。
まずは、日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」や、厚生労働省が提供している「公的年金シミュレーター」を使って、ご自身の年金受取額を確認しましょう。
その上で意識しておきたいのは、現在の老齢年金は「60歳~75歳の間で、自分が希望する時期から受給開始できる」という点です。
そして、受け取り開始時期に応じて年金額が増減します。65歳の受取額を基準として、それより早く受け取る(=繰り上げする)と、ひと月当たり0.5%の減額、それより遅く受け取る(=繰り下げする)と、ひと月当たり0.7%の増額となるのです。
例えば、国民年金から受け取る老齢基礎年金は、2024年度の満額(=一度も滞納や免除などが無い人が65歳から受け取れる年金額)が816,000円です。
この場合、60歳から受給開始を選ぶと、年金額は「0.5%×60月=30%」減額の571,200円となり、70歳からの受給開始を選ぶと、年金額は「0.7%×60月=42%」増額の1,158,720円、繰り下げの最大年齢である75歳を選ぶと「0.7%×120月=84%」の増額なので、老齢基礎年金だけで1,501,440円(=月額約12.5万円)となり、これに老齢厚生年金が加わる人は、老後資金の収入面での不安はかなり解消されるでしょう。
■老後のための準備資金が明確になる考え方
さて、こうした年金の繰り上げや繰り下げの仕組みは「いつ受け取るのがお得か?」という話になりがちですが、これにも答えがありません。
ごく単純に考えて、早く亡くなることが分かっていれば早く受け取り始める方がいいでしょうし、長生きすることがわかっているなら、なるべく受給時期を遅らせる方がいいのは明らかですが、自分が何歳まで生きるかは誰にもわからないからです。
ではどうすればいいのでしょうか?
もちろん、ひとり一人働く環境や健康状態、家族の状況などが異なるため、決めることはできないものの、例えば最初から「公的年金は70歳(または75歳)から受給する」つもりで計画を立てることが検討できます。
この計画のメリットは、不足に備える期間が明確になることで、「何歳まで生きるかわからないから、老後資金をいくら貯めればいいかわからない」という問題を解決してくれる点でしょう。
仮に70歳まで働くことで、日々の支出を賄えるだけの収入を得られるならそれでいいですし、「65歳以降は収入が減るから年間100万円は不足する」のであれば、生活費の補填として「100万円×5年=500万円」を蓄えればよいわけです。
そして70歳以降は、増額された老齢年金によって最低限の生活費が賄えるのであれば、あとはどれだけ長生きしても生活費の心配はありません。なぜなら、老齢年金は終身受け取れるからです。
もちろん、医療や介護の備え、住宅のリフォーム等といった話は別ですし、そもそも「日本の公的年金は大丈夫なのか?」という疑念を持っているのであれば、何を考えても安らぐことはないかもしれません。
いずれにしても、こうした不安をただ漠然と抱えているのではなく、まずは年金からの収入面だけでも明確にし、メディアの情報に一喜一憂するのではなく、「自分の場合はどうなのか?」を一度しっかり考えてみることをお勧めいたします。
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