老後の「家事・外出支援」は想像以上に必要? -vol.10-

 

――介護保険外サービスの急拡大から見える“備え”

 

近年、家事代行や外出付き添いなどの 『介護保険外サービス の利用が大きく伸びています。日経新聞(2025929日)によると、こうしたサービスの市場規模は 過去5年間で約6倍 に拡大。

背景には「まだ介護は必要ないが、家事や移動が自力では少し辛い」という高齢者が増えている現実があります。

従来、老後の備えといえば「介護費用の確保」が中心でした。
しかし、今回の調査結果を見てみると、要介護状態になる前の“グレーゾーン期”の支援コスト が、実は見逃せない負担になっています。

介護保険外サービスの利用イメージ

下記は、調査を基にした一般的な介護保険外サービス利用のイメージです。
サービス料金は 事業者、地域、対応内容、頻度、時間帯 によって大きく変わります。

※上記イメージはあくまで一例ですので、ご利用される場合は、お住いの地域の事業者等にお確かめください

もし月3.7万から6.6万円が数年間続けば、“老後2000万円問題” だけではカバーしきれない可能性があります。

「介護」ではないため公的保険の適用外すべて自費となる点も見逃せません。

一方で、これらのサービスは「生活の自立を長く維持する」というプラスの側面もあります。頼れる仕組みを早めに知っておくことで、介護が始まる時期を遅らせることにつながるという報告も増えています。

 

個人としての備え

 50代、60代の現役世代ができることは、いくつかあります。

  • 親世代の生活状況を“家事レベル”で把握しておく
    食事作りや掃除・買物がどれくらい負担になっているかを知るだけでも、将来の支援の全体像が見えます。

  • 地域の介護保険外サービスを早めに調べておく
    民間・自治体・NPOが提供しており、選択肢は増えています。

  • 老後の家計に“家事支援費”を組み込む
    介護費とは別枠として考えることで、より現実的なライフプランになります。

 

企業として備えておきたい視点

社員の方々が親の支援に追われ始めると、パフォーマンスの低下やキャリア中断といった影響が出ることがあります。
介護休業制度など事後対応だけではなく、近年増えている 要介護前の「グレーゾーン支援」 を理解し、早期からサポートできる体制を整えることが、これからより不可欠なテーマとなりつつあります。

当協会の50代・60代向け社内研修『リタイアメントプラン設計講座』では、

  • 老後の「お金の備え」が介護費用だけでは不十分な理由
  • 社員の親世代で急増するグレーゾーン支援の実態
  • 老後の現実を知ることで、自身のキャリア形成がどう変わるか

など、実例やデータを交えてわかりやすくお伝えします。
本講座を通じて、社員の皆様がご自身の未来をしっかりと見つめ、「安心して働き続けられる選択肢を自らつくれるようになること」その力を高めていけるよう、私たちが全力でサポートいたします。

今回のコラムが、働く世代の未来を支える人事ご担当者様にとって、制度づくりや情報提供の際のヒントとなれば幸いです。

 

一般社団法人日本定年力検定協会
専務理事 米田貴虎 

 

 

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