
立冬が過ぎ、暦の上では冬の季節となりました。
朝晩の冷え込みが厳しくなってきたうえ、今年はインフルエンザの流行がいつもより早いとの報道もありましたので、くれぐれもご自愛ください。
さて、今回のメルマガでは、健康保険の『高額療養費制度』について取り上げます。
高額療養費制度とは?
日本では、すべての国民が公的医療保険に加入する「国民皆保険制度」が採用されています。
この制度により、病気やケガをしても、誰もが一定の自己負担で適切な医療を受けることができます。
一般的に、病院で診察や治療を受けた場合、自分で負担する費用は1~3割なので、1万円の治療費がかかっても、
窓口では1,000円~3,000円を支払えばいいわけです。
ただ、入院や手術などが重なり、多額の医療費がかかることもあります。
仮に治療費が1ヶ月で100万円かかった場合、自己負担割合3割としても30万円の支払いとなり、かなり厳しい話です。
そこで頼りになるのが『高額療養費制度』。
病院などでかかった費用が1ヶ月で一定額を超えた際に、超えた部分がカバーされる仕組みです。
たとえば、一般的な所得(年収約370万円~770万円)の人が先ほどの“1ヶ月に100万円の治療費がかかった”場合、実際の自己負担額は30万円ではなく約9万円となります。
つまり、自己負担の上限額 「80,100円+(かかった医療費-267,000円)×1%」に当てはめると、212,570円を高額療養費として支給し、実際の自己負担額は87,430円となります。
なお、健康保険組合に加入されている方は、組合からの独自給付が上乗せされることがあります。その場合は、自己負担額がさらに少なくなりますので、ご自身が加入されている健康保険をしっかりチェックするようにしましょう。
高額療養費制度の見直しについて
この高額療養費制度ですが、本来であれば今年(2025年)8月に見直しされ、自己負担の上限額が引き上げられる予定でした。
それが、今年3月に当時の石破首相が「先送り」を発表したため実施されていません。今後のことは現在議論が進められていますが、高額療養費制度単体ではなく、公的医療保険全体の在り方について見直される方向となっているようです。
ちなみに、引き上げ案が実施されていた場合、先ほどの「年収370万円~770万円」の人が100万円の医療費がかかったケースを例にとると、このように変わる予定でした。
88,200円+(100万円-294,000円)×1%=95,260円
現行からだと7,830円の負担増、約10%の引き上げですね。
今後の改正がどのような内容になるかは現時点でわからないものの、大きな流れとして自己負担が増えていく事実には、向き合う必要がありそうです。
民間の医療保険が果たす役割
増加する自己負担に備える1つとして、民間の医療保険や共済の活用があります。
先ほどの高額療養費の仕組みを前提にすると、1ヶ月の自己負担額は約9万円に収まる計算になりますので、単純計算で1日約3,000円を準備できれば支出は賄えそうです。
ただ実際には、病気やケガによって発生する費用は、医療費だけに限りません。
“看病などに伴う家族の負担”、“交通費”、“仕事を休むことによる収入減”などもあるので、やはり1日5,000円程度を目安にしておきたいところ。
最近では、入院日数が短期化していることもあり、入院時に一時金でまとまったお金を受け取れる医療保険も増えているため、選択肢は多くあります。
また、そもそも医療保険ではなく「就業不能保険」と呼ばれる商品もあり、こちらは入院の有無に関係なく“仕事ができない状況”に対して、月額いくらという形で給付金が受け取れるものなので、特に自営業の方などは医療保険と合わせて検討しておきたい商品といえるでしょう。
なお、健康保険には、“お勤めの方の仕事を休む期間が一定以上になる場合”に保障される「傷病手当金」もあるため、数字だけで見ると預貯金で充分賄えるという考えもあるでしょう。
ただ、休業中や入院中にお金が受け取れることは、心理的な安心感がとても大きいものです。何かにつけて、合理的な数字が重視される時代ではありますが、こうした心理面をサポートする役割も忘れないようにしたいものです。
講座で学ぶ、50代・60代が今から学ぶべき備え
医療保険を選ぶ際には、複数の選択肢を比較し、専門家の意見を聞くことも大切です。
特に、異なる立場の専門家から話を聞くことで、より客観的な判断ができるようになります。今後の制度の動向を注視しつつ、将来に向けた備えをしっかりと考えていきましょう。
弊協会の《リタイアメントプラン設計講座》では、公的医療保険と民間保険の備えを、ムダなく・過不足なく準備するための考え方を、実例を交えながらわかりやすくお伝えしています。
本講座を通じて、社員の皆様がご自身の未来をしっかりと見つめ、「将来の自己負担増にどう備えるか」を具体的に計画する力を身につけ、働く上での心理的な安心を確保できるよう、研修を通じて全力でサポートいたします。
本コラムが、これからの人生を前向きに考えるきっかけとなり、人事ご担当者様が社員の方々へアドバイスや情報提供を行う際の一助となれば幸いです。
講師座談会のご案内
このようなお悩み・疑問はございませんか?■予算など企画が固まっていないが参考までに聞いておきたい
■そもそも研修を受けて本当に社員のモチベーションがあがるのか?
■あきらめ感のある社員へどうやって研修への参加を促したらいいのか?
■社員の参加を促す動機づけについて悩んでいる
■シニア社員や役職者の立ち回り方について解決できる研修はできるのか
■他社の研修とどう違うのか?
■開催規模や頻度について融通が利くのか?
開催概要
開催場所:オンライン(ZOOMを利用)所要時間:1時間程度
参加費用:無料
参加方法:こちらのお申込みフォームからもお申し込みいただけます
※当日の詳細については、参加される方へ別途お送りいたします


